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ダブル不倫 〜騙し、騙され

第6章 6

 優子は畠山の部屋のリビングルームにいた。まだ、開封していない段ボール箱がところどころに置いてある。優子は彼の切れた唇の端に絆創膏を貼っていた。
 
「……ごめんなさい。私のせいで……」
 
「いやあ、カッコ悪いところ見せちゃったね」
 
 畠山の手が後ろ頭を掻いた。
 
 優子は顔を左右に振った。
 
「ううん、晶くん、カッコよかった。私、キュンとしちゃった……」
 
 声がかすれた。涙で畠山が見えなくなった。
 
 畠山の胸に吸い込まれた。筋肉質の腕が強く抱きしめる。
 
「…………晶くん…………、私、ちょっと泣いていい……?」
 
「僕の胸でよかったら……」
 
 畠山の手のひらが優子の髪を撫でた。

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