ダブル不倫 〜騙し、騙され
第5章 5
「ああっ、お、お前いつの間に……? そ、それは……その……」
激昂し焼けた鉄のような修一の顔が、青ざめたように見えた。
「うん、分かってる。修一さん、ストレス…………ストレス……だよね?」
「そう、そうだよ。ストレス発散。外で働く男は色々あるんだよ。口出しするんじゃないよっ!」
「……ストレス…………。外ではたらいているから……? あなたは主婦にストレスが無いとでも思ってんの?」
修一の顔が滲んだ。ボイスレコーダーを投げつける。ボイスレコーダーが修一の足元で音を立てて跳ねた。
「山瀬さん……」
「俺ら夫婦の問題だっ! よそのヤツは黙ってろ」
修一は畠山に拳を振り上げた。
「いいえ、黙りません。山瀬さん、あなたの浮気を知った自分のストレスを解消しようと優子さんは……」
修一が畠山の胸ぐらを掴んだ。
「……優子さんはあなたに関心を持ってもらおうと、口紅や髪型を変えたり……僕と……」
「だけど、あなたは……気づいてくれなかった。他の男性《ひと》と関係をもつのはダメだけど……。でも、主婦は……、主婦は、ストレス発散なんてできないの。お料理、育児、逃げても、逃げても私たちにはそんな現実があるから……」
「……クソっ……勝手にしろ」
畠山の胸ぐらを掴む修一の手が緩んだ。
優子はひとつ息をついた。
激昂し焼けた鉄のような修一の顔が、青ざめたように見えた。
「うん、分かってる。修一さん、ストレス…………ストレス……だよね?」
「そう、そうだよ。ストレス発散。外で働く男は色々あるんだよ。口出しするんじゃないよっ!」
「……ストレス…………。外ではたらいているから……? あなたは主婦にストレスが無いとでも思ってんの?」
修一の顔が滲んだ。ボイスレコーダーを投げつける。ボイスレコーダーが修一の足元で音を立てて跳ねた。
「山瀬さん……」
「俺ら夫婦の問題だっ! よそのヤツは黙ってろ」
修一は畠山に拳を振り上げた。
「いいえ、黙りません。山瀬さん、あなたの浮気を知った自分のストレスを解消しようと優子さんは……」
修一が畠山の胸ぐらを掴んだ。
「……優子さんはあなたに関心を持ってもらおうと、口紅や髪型を変えたり……僕と……」
「だけど、あなたは……気づいてくれなかった。他の男性《ひと》と関係をもつのはダメだけど……。でも、主婦は……、主婦は、ストレス発散なんてできないの。お料理、育児、逃げても、逃げても私たちにはそんな現実があるから……」
「……クソっ……勝手にしろ」
畠山の胸ぐらを掴む修一の手が緩んだ。
優子はひとつ息をついた。