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宅配のお兄さんにどんどん逃げ場を無くされるはなし

第3章 進展

それからというもの、郵便を頼むと3回に1回くらいの確率で彼が届けてくれることもあってか半年ほどが過ぎると私たちは顔見知りになってきた。

「お届け物です。」玄関を開けると、彼は印鑑の場所を指していた。
いつも通り私も「ありがとうございます。」と言って印鑑を押すと、彼は「こちらこそ、いつもありがとうございます。」と言った。

お互いを認知しているが、タメ口を使ったり馴れ馴れしくしない関係。
私はそんな関係が何となく気に入っていた。

それが少しづつ変化してきたのは、あの日が境だったと思う。

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