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黙ってオレに抱かれろ

第6章 獅真とデート

獅真とサッチンはTioのレストランに来ていた。

「イイ感じのお店だね〜よく来るの?」

「あぁ、2回目だ」

店内は空いていて、見習いの青年がオーダーを取りにきた。

「Aランチ2つ」

「はい、ありがとうございます」

獅真は店内を見回す。ビアルネスも養父(ティオのこと)も店にはいなかった。

2人は美味しいランチに舌鼓を打った。

「んふっ、美味しい!」

「だろ?」

のんびり食事を済ませて、食後にコーヒーを飲んでいると

「ただいま〜」

調理場の奥からオンナの高い声が聞こえた。
フロアに姿を現し、洗面所に向かう。

「ビアルネス!」

獅真は思わず大声で叫んでいた。

驚いたように振り返るビアルネス、その大きな瞳と目が合う。
獅真は引き寄せられるように彼女に近づいていく

「失礼ですが…どちら様ですか?」

戸惑ったように言い放たれた言葉に獅真は動揺を隠せないでいた。

「…オレが分からないのか?」

「えっと、分からないかも…」

「シグマだ。憶えてないのか? オマエはオレの世界に迷い込んで、それで…」

「やっぱり、覚えてないです…ごめんなさい」

迫る獅真。ビアルネスは怯えたように後ずさる

「そんな」

「お客さま、困ります」

奥からティオが現れた。

「おじさま!」

ビアルネスはティオに縋り付くように走り寄る。

「ビアルネス、オレはオマエに会いに来たんだ。本当に覚えてないのか?」

「お客さま。これ以上、迷惑行為を続けると警察に通報しますよ」

獅真は諦めきれなかったが、仕方なくレストランを出て行くことにした。

◆◆
獅真は商店街をフラフラと歩く、その後をサッチンは追いかける。

「獅真さん、アレはどういう事?」

「オレはビアルネスに会うためにココに来たんだ」

「ビアルネスって、レストランに居た女の子?」

「そうだ、アイツは以前、オレの世界に迷い込んできて助けた事がある」

「ちょ、ちょっと待って。オレの世界って何?」

獅真は足を止めて振り返る、深緑の瞳にジッと見つめられる。

「こんな事言っても信じないだろうが…オレは異世界から来たんだ」

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