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黙ってオレに抱かれろ

第7章 サッチンと獅真

◆斗真のつぶやき◆

全く覚えてない、そんな事ある?


彼女はバイト先の同じビル
『VR仮想クラブ』の受付嬢


何度かすれ違った事があったけど

話した事なんて一度もない



そんな彼女と一晩を共にしたらしい



まったく記憶がない!



そうは言っても

2人でハダカで寝てたし

激しいSEXをした時の疲労感はあった




一番マズいのは

よりによって、中出しした事



セフレのララはピルを服用してて

たまに中出ししたりする




神様!

どうか妊娠させないでください!!!



オレ、まだ学生なのに…


夢半ばで風俗業で社会人デビュー
そんなの絶対イヤだ



あれから、

彼女は通い妻気取りで
毎日アパートに来てご飯を作る




フツーに美味しい




今日も報告無く、帰って行った


胃がよじれる様に痛む

明日は報告があるだろうか?



そろそろ、一ヶ月経つ



神様!

オレから夢を自由を奪わないでくれ

◆◆
翌月、彼女に呼び出された


近所のファミレス


彼女は髪を下ろし、ワンピース姿で

オレを見つけると和かに手を振って合図した


「コレ」


テーブルにプラスチックの棒を差し出した

真ん中の窪みに赤い線が2本



オレの心臓がバクバクと激しく脈打った



「で、どっち?」

「ウフフ、孕んじゃった」



目の前が真っ暗になった

彼女は嬉しそうに何か話しているが


まったく耳に入らない



よく分からないウチに病院に連れて行かれた


「妊娠2ヶ月です」

ドクターの言葉に彼女が喜んでいた

オレは奈落の底に突き落とされたようだ



帰り道

夕焼けが目に沁みる

「これから一緒に頑張って行こ」

「まだ実感がないよ」

「アタシも全然実感ないよ」


そうは言っても2人の温度差は熱帯と南極ほどある



何もかも置き去りにして逃げ去りたい




どうして
どうして


彼女にSEXしようと誘ってみた


「安定期に入るまではダメだよ」

「そっか、そうだよな」



オレは彼女とSEXした記憶がない

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