
お面ウォーカー(大人ノベル版)
第10章 山田二郎
薄暗い照明の下、カウンターと二つのテーブル席だけの狭い店で、男性の後ろには、様々な種類のお酒が並ぶ。
良夫は、物珍しそうに見回す。
「こんな雰囲気のところは、初めてやわ」
「今日、この近くを通ったら、店員らしい人がいて、今晩飲めるところを探してるって言ったら、ここを紹介してくれたんすよ」
「ふ~ん。普段、軽食と名乗っていながらとんでもない物出してくる、レストランみたいな居酒屋しか行ったことないから」
良夫は初めての雰囲気に落ち着かず、緊張しながら、黒い小さなソファーに腰掛ける。
水色のドレスを着た、腕の太い女性が二郎の隣につく。
「いらっしゃいませ、なにをお飲みになります?」
二郎は、「梅サワー。あと、軽くつまみたいから柿ピーでもあったら貰おうか」と言った後、「それと悪いが、二人で飲んで話したいから」と女性に席を外すように伝えると、女性は「そっちの人はなに飲む?」と言葉使いを変えた。
良夫が、「じゃあ……ウイスキー水割り」と注文すると、女性は無言でカウンター奥の男性の方へ向かった。
「店長、水割りと梅サワー、あと柿ピー入ります」
男性は頷くと、先に小皿に入れた柿ピーを出し、女性に渡した。どうやら、男性がこの店の店長のようだ。
男性は髪をバックにまとめ、細い眉毛と右目元には小さな傷があった。
テーブルの上に、つまみが置かれると、先に手を出したのが、良夫だった。
「ところで、 相談とは?」
「あ、そうでした。実は、俺と組んでもらいたいんですよ」
「組む? まさか、タッグマッチ?」
良夫は、物珍しそうに見回す。
「こんな雰囲気のところは、初めてやわ」
「今日、この近くを通ったら、店員らしい人がいて、今晩飲めるところを探してるって言ったら、ここを紹介してくれたんすよ」
「ふ~ん。普段、軽食と名乗っていながらとんでもない物出してくる、レストランみたいな居酒屋しか行ったことないから」
良夫は初めての雰囲気に落ち着かず、緊張しながら、黒い小さなソファーに腰掛ける。
水色のドレスを着た、腕の太い女性が二郎の隣につく。
「いらっしゃいませ、なにをお飲みになります?」
二郎は、「梅サワー。あと、軽くつまみたいから柿ピーでもあったら貰おうか」と言った後、「それと悪いが、二人で飲んで話したいから」と女性に席を外すように伝えると、女性は「そっちの人はなに飲む?」と言葉使いを変えた。
良夫が、「じゃあ……ウイスキー水割り」と注文すると、女性は無言でカウンター奥の男性の方へ向かった。
「店長、水割りと梅サワー、あと柿ピー入ります」
男性は頷くと、先に小皿に入れた柿ピーを出し、女性に渡した。どうやら、男性がこの店の店長のようだ。
男性は髪をバックにまとめ、細い眉毛と右目元には小さな傷があった。
テーブルの上に、つまみが置かれると、先に手を出したのが、良夫だった。
「ところで、 相談とは?」
「あ、そうでした。実は、俺と組んでもらいたいんですよ」
「組む? まさか、タッグマッチ?」
