
お面ウォーカー(大人ノベル版)
第10章 山田二郎
「いやいや、試合じゃないですよ。実は、力を貸してほしいんです」
「力を貸すって……どう見てもあんたの方が強いじゃん。こんなおっさんの力を借りてどうすんのさ」
そう言って、良夫はピーナッツを口に放り込む。
二郎は、スマホのケータイ地域ニュースの記事を出して、テーブルに置いた。
画面には、お面姿の良夫が、剣道のロボットと向かい合っている写真が表示されていた。
「俺、これを見て、自分と同じことやってると思って、共感したんですよ。これが呪いの力でやってることなら、その呪いって凄いことじゃないですか?」
「あのさ、これ、戦ってるように見えるけど、こっち被害者だから。危うくやられそうになったんだから。戦闘能力ほぼゼロの呪われたおっさんが被害にあってるだけの話だよ」
「そうかなぁ……記事を読んでるかぎりは、そんな風に感じ取れないんだけどなぁ」
テーブルの上に、梅サワーのグラスと水割りのグラスが運ばれてきた。
だが、持ってきたのは、今までいなかった黒と白のストライプのスーツを着た若い男性だった。
良夫はさり気なく周りを見るが、女性の姿はなく、入れ替わったかのように若い男性が二人立って、こちらを眺めていた。
二郎は、チラリと奥にいる若い二人を見る。
「実は、あることで俺は大阪まで来たんですよ」と二郎は、暴力団河原組(こうらぐみ)の配下にある薬の密売組織と行方不明になった彼女を捜しにきたことを良夫に話した。
良夫の表情が険しくなる。
「まさか……そのヤクザ絡みのことを協力してってこと?」
「まあ、平たく言えば」
「力を貸すって……どう見てもあんたの方が強いじゃん。こんなおっさんの力を借りてどうすんのさ」
そう言って、良夫はピーナッツを口に放り込む。
二郎は、スマホのケータイ地域ニュースの記事を出して、テーブルに置いた。
画面には、お面姿の良夫が、剣道のロボットと向かい合っている写真が表示されていた。
「俺、これを見て、自分と同じことやってると思って、共感したんですよ。これが呪いの力でやってることなら、その呪いって凄いことじゃないですか?」
「あのさ、これ、戦ってるように見えるけど、こっち被害者だから。危うくやられそうになったんだから。戦闘能力ほぼゼロの呪われたおっさんが被害にあってるだけの話だよ」
「そうかなぁ……記事を読んでるかぎりは、そんな風に感じ取れないんだけどなぁ」
テーブルの上に、梅サワーのグラスと水割りのグラスが運ばれてきた。
だが、持ってきたのは、今までいなかった黒と白のストライプのスーツを着た若い男性だった。
良夫はさり気なく周りを見るが、女性の姿はなく、入れ替わったかのように若い男性が二人立って、こちらを眺めていた。
二郎は、チラリと奥にいる若い二人を見る。
「実は、あることで俺は大阪まで来たんですよ」と二郎は、暴力団河原組(こうらぐみ)の配下にある薬の密売組織と行方不明になった彼女を捜しにきたことを良夫に話した。
良夫の表情が険しくなる。
「まさか……そのヤクザ絡みのことを協力してってこと?」
「まあ、平たく言えば」
