
お面ウォーカー(大人ノベル版)
第10章 山田二郎
良夫は襟元を掴まれた状態で、体を前に傾ける。
だが、男が掴んだのは襟元ではなく、黒いダウンジャケットのフードの端だった。
しかも良夫がエレベーターに乗り込もうとした時だったため、下の溝に躓いたために、故意では無く、体が前に傾いてしまった。
「うわっ!」
その拍子に、良夫の左足が後ろに上がる。
偶然にも、良夫の左のふくらはぎが、男の股の間に入り込み、勢いよく突き上げるかたちとなった。
そのため、男のゴールドボールはギョロンとした衝撃を受け、なんともいえない激痛かみぞおちにまで到達する。
男は手をはなし、良夫は二郎の太い腕をクッションに、体を預け、倒れずにすんだ。
エレベーターは1階に下りる。
田原が撃ったピストルの玉が、良夫のブレスレットに弾かれ、3階の窓を貫通。そこに立っていた、男の背中を撃ち抜いてしまった。
傷を負った男は、タバコを吸っており、撃たれた衝撃で火のついたタバコを手放してしまった。
タバコは、上が開いた段ボール箱の中へ……。
突然の出来事に狼狽える、若い衆達は、負傷した男を介抱するために、上着を脱がせたり、傷を拭いたりするが、その間、タバコは段ボール箱の中で燻っていた。
空気は乾燥し、空気清浄機の風が中に送り込まれ、火のけは育つ一方だ。
だが、そこに入っていたのが、重要書類とそのデータが入ったUSBがであり、その中には、二郎の彼女の父が借りた借金の借用書も入っていた。
データのコピーを取っていなかったため、USBのデータは読み込めない状態になり、借用書もすべて灰となってしまった。
だが、男が掴んだのは襟元ではなく、黒いダウンジャケットのフードの端だった。
しかも良夫がエレベーターに乗り込もうとした時だったため、下の溝に躓いたために、故意では無く、体が前に傾いてしまった。
「うわっ!」
その拍子に、良夫の左足が後ろに上がる。
偶然にも、良夫の左のふくらはぎが、男の股の間に入り込み、勢いよく突き上げるかたちとなった。
そのため、男のゴールドボールはギョロンとした衝撃を受け、なんともいえない激痛かみぞおちにまで到達する。
男は手をはなし、良夫は二郎の太い腕をクッションに、体を預け、倒れずにすんだ。
エレベーターは1階に下りる。
田原が撃ったピストルの玉が、良夫のブレスレットに弾かれ、3階の窓を貫通。そこに立っていた、男の背中を撃ち抜いてしまった。
傷を負った男は、タバコを吸っており、撃たれた衝撃で火のついたタバコを手放してしまった。
タバコは、上が開いた段ボール箱の中へ……。
突然の出来事に狼狽える、若い衆達は、負傷した男を介抱するために、上着を脱がせたり、傷を拭いたりするが、その間、タバコは段ボール箱の中で燻っていた。
空気は乾燥し、空気清浄機の風が中に送り込まれ、火のけは育つ一方だ。
だが、そこに入っていたのが、重要書類とそのデータが入ったUSBがであり、その中には、二郎の彼女の父が借りた借金の借用書も入っていた。
データのコピーを取っていなかったため、USBのデータは読み込めない状態になり、借用書もすべて灰となってしまった。
