
お面ウォーカー(大人ノベル版)
第3章 ケータイ地域ニュース速報。
「て言うか、あのお面はなんなんだ? なんかおかしな言い伝えみたいなものはないか?」と思い切って、聞いてみた。
勝重は、ふんふんと頷きながら、
「あぁ……、昨日も言ったけど、あれは神様の顔で、現地では厄除けや、幸運のお守りとして、壁に飾ったりするものだそうだ」
「なんで俺の土産が、アレなんだよ。みんなと同じキーホルダーでいいよ」
「なに言ってんすか、今は先に出世して僕が上司として田中くんに仕事をお願いしている身だけど、僕が入りたての新人の時、一番世話になったのは、田中くんですよ。だから他の社員さんより、いい物をお渡ししようと思って選んだんじゃないっすかぁ」
「気持ちはわかるが、くん付けで呼ばれるのが、鼻につくな……」
「きっと田中くんに、素晴らしい奇跡が起こりますよ。では、先ほどの件、よろしく」と言うと、勝重は小走りで去っていった。
良夫は、言いたいことが言えないまま、口を尖らせ、作業を続けた。
お昼になり、良夫は一度ロッカールームに戻り、財布を出すため自分のロッカーを開ける。
「ん?」
中に、見たことのない薄汚れたジャンパーがかけてある。
「あれ?」
違うロッカーなのかと、確かめてみる。ロッカーの扉には、田中と書かれたプレートがはまっていた。
「俺んところやなぁ、てか、誰の上着?」
確認のため、ロッカーの中を探ってみる。もちろん、自分の上着とジーンズはあるし、財布もあった。
勝重は、ふんふんと頷きながら、
「あぁ……、昨日も言ったけど、あれは神様の顔で、現地では厄除けや、幸運のお守りとして、壁に飾ったりするものだそうだ」
「なんで俺の土産が、アレなんだよ。みんなと同じキーホルダーでいいよ」
「なに言ってんすか、今は先に出世して僕が上司として田中くんに仕事をお願いしている身だけど、僕が入りたての新人の時、一番世話になったのは、田中くんですよ。だから他の社員さんより、いい物をお渡ししようと思って選んだんじゃないっすかぁ」
「気持ちはわかるが、くん付けで呼ばれるのが、鼻につくな……」
「きっと田中くんに、素晴らしい奇跡が起こりますよ。では、先ほどの件、よろしく」と言うと、勝重は小走りで去っていった。
良夫は、言いたいことが言えないまま、口を尖らせ、作業を続けた。
お昼になり、良夫は一度ロッカールームに戻り、財布を出すため自分のロッカーを開ける。
「ん?」
中に、見たことのない薄汚れたジャンパーがかけてある。
「あれ?」
違うロッカーなのかと、確かめてみる。ロッカーの扉には、田中と書かれたプレートがはまっていた。
「俺んところやなぁ、てか、誰の上着?」
確認のため、ロッカーの中を探ってみる。もちろん、自分の上着とジーンズはあるし、財布もあった。
