
お面ウォーカー(大人ノベル版)
第6章 ヒーローがいるなら、これもいる。
「じゃあ、身分証明書ある? それが無かったら買えないなぁ」と言って、店主は目を細める。
「あ、あるある」
良夫は、買い取りに必要な身分証明書として保険証を出した。
「はい、ちょっと拝借」
店主は良夫の保険証を確認し、レジから二千円札を一枚出すと、良夫は「サンキュッ!」と言って、保険証と現金を受け取り、足早に店から出て行った。
「軍資金軍資金」
そう口にしながら、商店街の奥へと向かっていく。その方向にあるのは、良夫が毎週のように行く、場外馬券売り場だ。
店主は入り口から顔を出し、良夫の後ろ姿を見送ると、中に入り、お面を手にしてニヤリと笑った。
「これは、とんでもないお宝かも知れないぞ……質といい色といい、あの男、こんなのどこで手に入れたんだ?」
鑑定士としての目を持つ店主は、このお面が価値ある逸物と評価した。
お面に関して、ネットや資料を調べるが、どこの国で、いつ作られた物か、まったく手がかりが掴めなかった。
「わしの目利きが確かなら、このお面はただの面ではない。なにか大きな価値を秘めておるに違いない。詳しいやつに聞いてみるか」
店主は、知人の民族博物館の館長に電話をかけ、お面の写真をパソコンで送信した。
その頃、良夫は場外馬券売り場で競馬新聞を眺めながら、予想屋の親父と当たりについて諮詢をしていた。
「予想屋、この3番レース堅いだろ」
「兄さん、5-8か5-1狙いだね。5番のミトサンゾンビの騎手がいまノってる滝繁だ。穴狙うなら、ヂニワボラギノールで流しな」
「あ、あるある」
良夫は、買い取りに必要な身分証明書として保険証を出した。
「はい、ちょっと拝借」
店主は良夫の保険証を確認し、レジから二千円札を一枚出すと、良夫は「サンキュッ!」と言って、保険証と現金を受け取り、足早に店から出て行った。
「軍資金軍資金」
そう口にしながら、商店街の奥へと向かっていく。その方向にあるのは、良夫が毎週のように行く、場外馬券売り場だ。
店主は入り口から顔を出し、良夫の後ろ姿を見送ると、中に入り、お面を手にしてニヤリと笑った。
「これは、とんでもないお宝かも知れないぞ……質といい色といい、あの男、こんなのどこで手に入れたんだ?」
鑑定士としての目を持つ店主は、このお面が価値ある逸物と評価した。
お面に関して、ネットや資料を調べるが、どこの国で、いつ作られた物か、まったく手がかりが掴めなかった。
「わしの目利きが確かなら、このお面はただの面ではない。なにか大きな価値を秘めておるに違いない。詳しいやつに聞いてみるか」
店主は、知人の民族博物館の館長に電話をかけ、お面の写真をパソコンで送信した。
その頃、良夫は場外馬券売り場で競馬新聞を眺めながら、予想屋の親父と当たりについて諮詢をしていた。
「予想屋、この3番レース堅いだろ」
「兄さん、5-8か5-1狙いだね。5番のミトサンゾンビの騎手がいまノってる滝繁だ。穴狙うなら、ヂニワボラギノールで流しな」
