
お面ウォーカー(大人ノベル版)
第6章 ヒーローがいるなら、これもいる。
頭を上げると、そこにはコテ・メンドウジャ。
「うわぁっ!」
本気モードで驚く良夫は、後ずさりしながら、近寄るなと丸めた競馬新聞の先を突き付ける。だが、それは逆効果だ。
メンドウジャは、『コテーッ!』と竹刀を振ってくるが、良夫はその声にビビり、身を引いたため手には当たらず、新聞紙の根元に竹刀が当たった。
新聞紙は丸まったまま、手から離れる。
「ちょ、ちょっと……暴力はやめなさいよ!」と言っても、会話が通じないロボットには、意味がない。良夫は距離を取りながら、警察に電話しようと携帯電話を探す。
「あ、やべ……」
持って出るのを、忘れたようだ。
良夫は、咄嗟にボクシングのような構えを見せ、緩く拳を出す。
もちろん、良夫には格闘技経験はない。
「おぅ、来いよ来いよ~、こう見えても幾多の苦難を乗り越えてきた中年よ。そう簡単に負けへんで。お前、指も届かない鼻腔に、鼻くそ固まったことないか? 鼻で呼吸すると、奥でパコパコいうて鬱陶しいんやぞ! それを我慢したことあるかっ!」
偽りの威嚇で攻めてみるも、メンドウジャは、ただ竹刀を構えて動かない。
「ん?」
様子がおかしいと、良夫は、静かに広がった新聞紙を拾う。
「電池切れか?」
ホッと胸を撫で下ろし、時々様子を見ながらゆっくりと離れていく。また、いつ動きだすか、わからない。
メンドウジャのAIは、相手が竹刀、または竹刀に代わる棒状の物を手放した時、すぐに拾うことがなければ、戦意喪失、試合放棄とみなし、すぐに離れ、次の試合(練習)に備えるようにとデータを入力されているが、元々がロボット掃除機のため、動き回る癖が残っている。
「うわぁっ!」
本気モードで驚く良夫は、後ずさりしながら、近寄るなと丸めた競馬新聞の先を突き付ける。だが、それは逆効果だ。
メンドウジャは、『コテーッ!』と竹刀を振ってくるが、良夫はその声にビビり、身を引いたため手には当たらず、新聞紙の根元に竹刀が当たった。
新聞紙は丸まったまま、手から離れる。
「ちょ、ちょっと……暴力はやめなさいよ!」と言っても、会話が通じないロボットには、意味がない。良夫は距離を取りながら、警察に電話しようと携帯電話を探す。
「あ、やべ……」
持って出るのを、忘れたようだ。
良夫は、咄嗟にボクシングのような構えを見せ、緩く拳を出す。
もちろん、良夫には格闘技経験はない。
「おぅ、来いよ来いよ~、こう見えても幾多の苦難を乗り越えてきた中年よ。そう簡単に負けへんで。お前、指も届かない鼻腔に、鼻くそ固まったことないか? 鼻で呼吸すると、奥でパコパコいうて鬱陶しいんやぞ! それを我慢したことあるかっ!」
偽りの威嚇で攻めてみるも、メンドウジャは、ただ竹刀を構えて動かない。
「ん?」
様子がおかしいと、良夫は、静かに広がった新聞紙を拾う。
「電池切れか?」
ホッと胸を撫で下ろし、時々様子を見ながらゆっくりと離れていく。また、いつ動きだすか、わからない。
メンドウジャのAIは、相手が竹刀、または竹刀に代わる棒状の物を手放した時、すぐに拾うことがなければ、戦意喪失、試合放棄とみなし、すぐに離れ、次の試合(練習)に備えるようにとデータを入力されているが、元々がロボット掃除機のため、動き回る癖が残っている。
