
お面ウォーカー(大人ノベル版)
第6章 ヒーローがいるなら、これもいる。
その良夫を追いかけるように、メンドウジャも走り出した。
そのスイッチを止めようとした三島くんは、間に合わず、やっと手が触れた所が、スイッチの上にあった、声を拾うマイクのカバーだった。
「あああっ!」
不使用時に、虫やホコリの侵入を防ぐために取り付けられたマイクカバーが、不運にも閉じられてしまった。
これだと、やめいの声で止めることが出来ない。
何度も大声で「やめいっ!」と叫んでみるが、メンドウジャには届かなかった。
そこには、恐る恐る幟を拾って立てる丼専門店の店員と、腰を抜かしたまま、買い取ったお面を探す骨董品屋の店主、そして、呆然とした三島くんがいた。
ただ、馬券売り場に集まった人達には、幸運にもメンドウジャの姿を見た者はいなかった。
メンドウジャはなぜか、良夫を追いかける。
良夫は、訳がわからないまま逃げる。
「なんでや……なんであれ、追いかけてくんねん」
逃げた先には、公園の入り口が見える。
滅多に走らない良夫は、足がもつれ、公園入り口すぐの芝生の上に倒れてしまう。
その時、手に持っていたお面が、顔にはまった。
良夫には、顔に貼り付いた感覚が伝わる。
「えっ、これってまさか……」
いま、手に持っていたのが、あのお面だと知った。
「あっ、馬券売り場にいたおっさん、あれ、骨董品屋の親父じゃねぇか!! まさか、俺に返品しにきたのか?」
良夫は立ち上がる。
後ろを見たが、メンドウジャの姿が無い。
「諦めたか?」と呟いたその時、
『メーーン!』
メンドウジャが、反対方向から現れた。
だが、良夫は、
「あ、十円玉落ちてる」と腰をかがめて、メンドウジャの竹刀をかわした。
そのスイッチを止めようとした三島くんは、間に合わず、やっと手が触れた所が、スイッチの上にあった、声を拾うマイクのカバーだった。
「あああっ!」
不使用時に、虫やホコリの侵入を防ぐために取り付けられたマイクカバーが、不運にも閉じられてしまった。
これだと、やめいの声で止めることが出来ない。
何度も大声で「やめいっ!」と叫んでみるが、メンドウジャには届かなかった。
そこには、恐る恐る幟を拾って立てる丼専門店の店員と、腰を抜かしたまま、買い取ったお面を探す骨董品屋の店主、そして、呆然とした三島くんがいた。
ただ、馬券売り場に集まった人達には、幸運にもメンドウジャの姿を見た者はいなかった。
メンドウジャはなぜか、良夫を追いかける。
良夫は、訳がわからないまま逃げる。
「なんでや……なんであれ、追いかけてくんねん」
逃げた先には、公園の入り口が見える。
滅多に走らない良夫は、足がもつれ、公園入り口すぐの芝生の上に倒れてしまう。
その時、手に持っていたお面が、顔にはまった。
良夫には、顔に貼り付いた感覚が伝わる。
「えっ、これってまさか……」
いま、手に持っていたのが、あのお面だと知った。
「あっ、馬券売り場にいたおっさん、あれ、骨董品屋の親父じゃねぇか!! まさか、俺に返品しにきたのか?」
良夫は立ち上がる。
後ろを見たが、メンドウジャの姿が無い。
「諦めたか?」と呟いたその時、
『メーーン!』
メンドウジャが、反対方向から現れた。
だが、良夫は、
「あ、十円玉落ちてる」と腰をかがめて、メンドウジャの竹刀をかわした。
