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お面ウォーカー(大人ノベル版)

第6章 ヒーローがいるなら、これもいる。

「あ、竹刀が取れましたよ」と女性。

「なに!?」

良夫は急いで立ち上がり、竹刀を手に取った。

「よし……よし、武器を取ったらもう余裕じゃい。オラオラ、どっからでもかかってこんかい」と言いつつ、内心は来るなよを連呼。

メンドウジャは、竹刀が手から離れたことを、認識していないのか、手に持っているかのように構える。

良夫は、後ろの女性に、

「あんた、もうどこかに行きなはれ。また狙われたらえらいこってっしゃろに」と告げた。

「あ……はい」と女性は落とした自撮り棒を拾いつつ、立ち上がって、良夫の様子を見ながら後ずさりしていく。

メンドウジャは、追いかけようとするが、良夫は竹刀で、メンドウジャの頭を叩く。

「なんでお前は、俺やらあの人を追いかけるんや!」

そう言うと、メンドウジャは、その場で停止し、

『イッポン!』と言った。

良夫はさらに、2発ほど頭に竹刀を落とす。

「お前、中に誰か入っとるんやろ。出て来なはれ」

『イッポン! イッポン!』

「イッポンじゃねぇ、よそさまの迷惑考えなはれ」と調子に乗った良夫は、何度も頭や胴を竹刀で打ち続ける。

『イッポン! イッポン! イッポンイッポンイッポンイッポンイッポイッポイッポイポポポポポポポポポポポポポポポ』

メンドウジャの体が、震えだす。

「やべ……爆発するんちゃうやろな」と良夫は後ろに下がる。

だが、メンドウジャは、ブザーの音と共に、動きを止めた。

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