テキストサイズ

不埒に淫らで背徳な恋

第8章 【本能のまま乱れ咲くのは愛と呼べるでしょうか?】





無理やりしないで…と言えばいちいち許可を取ってきそうだし面倒くさい。
皆が居る時と今の月島くんは180度違う。
急に甘え出す。
私が弱いの知っててやってるのかな?
とにかくあざとい。




「お願いだから……嫌いにさせないで」




そう言い放つとビクッと反応した身体はゆっくりこっちに視線を向けてきた。




「こういうの、迷惑だからやめてくれる?」




真っすぐ見据えて冷たい態度ではっきり言えば自ずと立場をわきまえてもらえると思った。
案外今のが効いたか?
うつむき加減だった顔が再び前に向いた時、さっきより熱帯びた視線に胸がトクン…と鳴った。




「噛まれたところ…痛いです」




「そ、それは仕方なく…そもそも無理やりするのがいけないんでしょ」




「じゃないとキスしてくれないじゃないですか」




「だからそれをやめてって言ってるの」




「だったら僕は一生マネージャーとキス出来ない、前に進めない」




え、どうしたらそういう思考回路になるの…?
働かせ過ぎ!?休ませようか。
残業3日目でこうなっちゃうの?
ずっと定時だったから急に忙しくなってまだ身体が慣れてないのかも。




少し血が滲んでる唇。
言っとくけどそれ、自業自得だよ!?
でも今にも泣きそうな顔されると強く言えなくなる。




「痛かった…?ごめん、当分滲みたりするかも」




あ……ヤバっ!
すぐ目を逸らしたのに手を掴まれて強張る。




「ちょ、離して」




「目が離せないんです……マネージャーのこと」




「え…?」




「無理に忘れろとは言いません……でも頑なに新しい道を閉ざすのは違うと思うんです……幸せになって欲しい」




「それがキミとだって言うの?」




「ダメですか…?」




「あのね……」




言いかけた途端、電気を消された。
すぐ傍にスイッチがあったから月島くんなら手を伸ばせば届くのだろう。




「恥ずかしいならこれでどうですか…?」




暗くすれば良いって問題じゃないの。
顔が近付いてきた気がしたから横に背いたのに耳を甘噛みされて反応してしまった。




「イヤっ……」








ストーリーメニュー

TOPTOPへ