テキストサイズ

不埒に淫らで背徳な恋

第8章 【本能のまま乱れ咲くのは愛と呼べるでしょうか?】





抱えるようにしてマンションに入る。
部屋番号もわかってるからエレベーターに乗るも足元がおぼつかなくて何度も共倒れしそうになる。
コントか!ってくらいあちこちぶつけてる。




「あ、鍵……」




しまった、見つけられるか?
ドアの前で座らせスーツのポケットを探りながら声をかけたが応答なし。
あ、カバン…!




失礼します…と中を探る。
外ポケットに入ってたのを見つけてやっと中に入れた。
靴を脱がす前に体力の限界。
玄関先で一緒になだれ込んでしまった。




寝室……確認しなきゃ。
電気をつけてルート確認。
お、意外と片付いてる。
へぇ、ちゃんと新聞読んでるんだ。
しかも英字新聞まで。
本当は努力家なんだね。




あ、感心してる場合じゃない。
ここだろうなって思うドアを開けたらベットが見えた。




「お邪魔しまーす」




布団を捲り、ドアを開けたまま玄関先に戻る。
深く息を吐いて気合いを入れたら肩に腕を回し爆睡する月島くんを持ち上げた。
こ、腰ヤバい……




「つ、月島くん…!起きて…!」




私の力じゃ無理だ…!
再び倒れ込む。
ビクともしない月島くんは私に寄りかかっている。
しばらく……動けないかも。




とっくに終電は終わってて諦めてるけど、さすがにこの状態のままは頂けない。
モソモソと彼の手が動いたかと思えば手を繋いできた。




「え、起きてる…?月島くん?」




顔を覗き込んだけど規則正しい寝息を立てている。
どさくさに紛れてちゃっかりこんなことしちゃうんだね。




ドッと疲れて瞼が重くなる。
コツン…と頭を寄せ合い瞳を閉じた。
家まで辿り着いた安堵感で急に眠気が襲ってきたらしい。




フワフワと温かい。
次に目が開いた時はベットの上で隣には頬杖つきながらこっちを見ている彼に気付いた。
まだ上手く瞼が開かない。




「瑠香さん……まだ寝てていいですよ」




近くでそんな声がした。
一度枕に顔を埋めてそのまま寝落ちしようかと思ったがゴロリと寝返りを打たされた。




ジャケットは脱がされていてブラウスのまま。








ストーリーメニュー

TOPTOPへ