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不埒に淫らで背徳な恋

第10章 【不埒に淫らで背徳な愛なら許されるのでしょうか?】





「叶ったらいいね……」




「えっ!?」




急にガバッ顔を上げる。
驚き過ぎ。




「え…?」




「瑠香さんも同じ気持ちですか…?」




「冗談です」




「え、えぇ〜!?」




さっきの口調を真似して言ったら今度は極端に項垂れた。
リアクション、忙しいね?ウケる。




「嘘……」




「え…?」




クスッと笑って私からキスをした。




「どっちが嘘なんですか?」って焦ってる。
本当、飽きないね。
この顔が好き。
いつかはキミに似た男の子生んでみたいな…なんて素直に思うよ。




「そろそろ戻らないと」




後処理を済ませ立ち上がると同時に言った。




慌てて立ち上がり腕を掴むキミは当たり前のように言ってくるのね。




「今夜、会えますか?」




「ごめん……もう東京に帰る」




「何時の飛行機ですか?」




「そうじゃなくて……」




次の言葉を遮るように強く抱き締められる。




「明日は休みじゃないですか……1日遅らせてください」




確かに明日は土曜日で休みだ。
でも今日中に帰って明日は春樹さんと会う約束をしている。
福岡に行くだけで不安にさせてしまっている状況で……帰って来なかったってなると更に不信感を募らせることになるだろう。





「離して………お願い」




感情なくして言うと恐る恐る離してくれた。
乱れた服を直し、ジャケットを羽織る。
脱ぎ捨てられた彼のジャケットとネクタイを拾いテーブルの上に置いた。




「好きって言ってくれたじゃないですか……僕のこと」




呆然と立ち尽くす彼のはだけたワイシャツのボタンを留めてあげる。




「そうよ、好きって言った」




「だったらどうして素っ気なくなるんですか…」




「寂しい…?」




「はい……辛いです」




「ごめんね、そういう性分なの」




襟を立たせてネクタイを通す。
目の前で結びキュッと締めた。




「私、嘘つきなの」




「え…?」




驚くだろうな………驚くよね。
本当、自分が弱過ぎて情けなくなる。
流されまくりだよね。








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