不埒に淫らで背徳な恋
第3章 【破滅的な愛でしょうか?】
「待って……」
ゴムを着けた後は私に任せて。
いつもなら私が下で喘いでた。
寝かされた稜ちゃんは少なからず動揺してる。
まさか私が上になるなんて思いもしなかった?
初めての体位だね。
大胆な私は嫌い……?
ゆっくり挿れてあげるから………
脳の中で彼を思い浮かべながら濡らしたはずなのに膣の中は完全には濡れていなかった。
少し痛いかも。
でも最後まで挿れて私が動けば。
「うっ…!あぁ……!」
何も感じない私は無限に動けるかも。
さぁ、いってよ。
今回も早いでしょ?
それを証明してみせて?
「瑠香っ……久しぶりだから俺…!」
わかってる。
もういきそうなんでしょ?
これだけで?
凄い根元から波打ってる。
もう限界だね。
でも私、止めないから。
堪らず起き上がる稜ちゃんは私の動きを和らげようとする。
は!?触んないでよ。
伸びてきた手は指を絡めて握りしめる。
愛し合ってるフリでキスしてあげる。
嗚呼………出てる。
もう終わり!?
挿入してから5分と保たないね。
「早過ぎるよ……稜ちゃん」
「ご、ごめん…」
足りない………
私、こんなんじゃ足りないの………
お掃除してあげても回復しないでしょ?
よがるだけじゃない。
終わった後に抱きしめられても虚しいだけだよ。
満足してるのそっちだけだから。
残ったのは確信のみ。
私が求めてたのはやっぱり性だった。
欲しいのはこんなんじゃない。
旦那に抱かれてる最中も抱かれた後も、ずっと支配してるのは別の人。
完全に凍りついた心は冷静さを取り戻しつつあった。
抱きしめる手を離れ服を着る私。
まだ触れていたいと言う稜ちゃんを上手く切り抜けて、優しく微笑んでは甘やかしてみる。
でもね、私もうあなたを愛してないの。
それを稜ちゃんが思い知るのはずっとずっと先のこと………