不埒に淫らで背徳な恋
第4章 【許されぬ略奪でしょうか?】
「すみません…」
すぐにティッシュを手渡された。
顎まで垂れたのを指で拭ってそのまま咥えた。
傷付けた罰がアレなんて……痺れる。
まだ拭いたくないのに快くんの手によって拭かれてしまった。
呆然とする私を優しく抱き寄せる。
触れ合う肌が心地良い。
また、この腕の中に戻って来れたんだよね…?
それだけで充分だよ………
「帰る……」
そう言って離れた。
服を纏い、何事もなかったかのようにヒールを履く。
手を引かれキスされそうになったのを顔を背け交わした。
嫌だという拒否ではない。
不安そうな顔をしてるのはどうして…?
自信がないから…?
後悔してるから…?
今にも謝ってきそうな唇を指でなぞる。
「私まだ……お仕置き中だから」
「え…?」
「すっごくキスしたいけどしないで…?おあずけにして…?」
納得いかない顔………それも好き。
「もう触れないで……欲しくなる」
快くんがいけないんだよ…?
お仕置きだと言いながらこの私を悦ばせた。
最高の罰を与えた………だからこうやって自分に罰を課さなければならないじゃない。
「瑠香さんっ…!」
横目で微笑んで外に出た。
どうか、追いかけて来ないで。
火照った身体を冷やすにはちょうど良いの。
縛られた手………自由を失った身体………
顔にかかる瞬間の情景とかけられた後の高揚感。
堪らなく……興奮した。
疼いて仕方ない。
だから私は………キミを手放せない。