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ヌードモデルの思い出の温泉

第1章 もう一度、旅行


脱衣場は男女別だった。

松田さんは脱衣場を「通過」するだけだから、先に露天風呂に出てしまうはずだった。

私は普通に浴衣を脱いで、髪をまとめようとして、そのままの髪でいるように指示されていたことを思い出した。

ヤラセとまではいかないが、やはり演出はあるのだ。

ある程度の長さなら、入浴時に髪をまとめない女性は滅多にいないはずなのに。

タオルだけ持って、屋内の岩風呂に入るガラス戸を開ける。
(ここは女性専用なのだが、彼と来た時も一度も入らなかった)

岩風呂を素通りし、さらにガラス戸を開けた向こうが、思い出の混浴露天風呂だった。

あの日と同じ──。

カメラマンは湯船の反対側に立っていたから、下腹部にタオル一枚で入ったきた私を正面から見ることになった。

ここからは指示はない。

いつものように、まずは軽く体を洗い、湯に浸かって温まり、しっかり髪と体を洗い、また湯で温まる。

カメラを意識するな、とは言われなかった。
裸を見られて恥ずかしいなら、恥ずかしい表情をしていいということだった。

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