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紅葉色のバイオリン

第3章 バイオリン

数日後

「兄さん、最近さ、俺を殴った奴らがおかしいんだけど…?」

「ん?」

「なんか怯えてるっていうか怖がってるみたいでさ。」

「ふーん。良いんじゃない?殴ってこないなら。」

希一はジーッと僕を見ていたが、「まあ、いっか。」と目を逸らした。

僕は敢えて希一に真相を話さないことにした。
希一に首を突っ込むなと言われていたにも関わらず首を突っ込まれたなんて知ったらまた希一は機嫌を悪くする。
それは少し避けたい。
察しの良い希一は気付いていたかも知れないが。

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