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ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

第83章 王子か鬼か



そして、五条先生の出勤と一緒に病院へ来ると、さっそく病室に入れられて診察を受ける。




「ひなちゃん、大きく深呼吸してー。」




こんなにじっくり聴診されるの久しぶり。

真剣に耳を傾ける藤堂先生の顔を見てると、少しずつ少しずつ、眉間にシワが寄っていく…




「うーん…ひなちゃん、今結構苦しいでしょ?点滴して今日はもう入院ね。1日安静にするよ。鉄剤も点滴から入れるからね。」




ステートを首にかけて、わたしのボタンを留めながらそう言う藤堂先生。




「大丈夫です、そこまでしんどくないです…。早く勉強したいので、夜には帰らせてください。」



「それはダメ。喘鳴が聞こえてるし熱もあるの。今日無理したらテスト受けさせないよ。1日じっとしてれば落ち着くはずだから、今日だけしっかり休もう。」




と言われてしまい、鉄剤ともう1つ輸液に繋がれて、今日はベッドの上で過ごすことが確定。

とはいえ、このわたしがじっと大人しくしてるわけがなくて、藤堂先生が部屋を出た後、こっそり持って来ていたノートで勉強した。


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