
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第83章 王子か鬼か
藤堂先生、完全に、すっごく、怒ってる…
どうしよう、本当に怖い。
「あ、あの……。ごめんなさぃ…」
「ひなちゃんさ、もう大学生だよね。大学生になってまでこんなことするの?」
「すみませんでした……」
「どうして隠そうとした?」
優しさの塊な藤堂先生が本気で怒るのは、これで何回目だろうか…
もうやだよ、ほんとやだ…
「その…、熱が上がってるって…昨日よりしんどいってことがバレれば、勉強も退院もさせてもらえないと思ったからです…。」
「はぁ…。ひなちゃんね、もうそのバレるバレないはいい加減やめようか。」
「はぃ…」
「もうずーっと、毎日のように言い続けてきたよね?具合が悪くなれば、いつもと違うなおかしいなと思った時は、自分からすぐ言いなさいって。日本語だと意味わからない?」
「わ、わかります…」
「だったらどうして隠すかな。それに、昨日も身体休めず勉強してたんでしょ。何のために入院してると思ってるの。」
と、枕の下に隠してたノートをスッと取られた。
