ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第83章 王子か鬼か
この前受けられなかったテストの追試が1週間後。
追試は余裕を持った日程になっておらず、朝から晩まで3日間ぶっ通し。
再試に引っかかれば、翌日以降もさらに続く可能性だってある。
追試を受けることは許可されたけど、本来ならば安静が必要な状態。
身体に無理を強いることになるから、間違いなく悪化するだろうし、夏休みいっぱいは退院できなくなる可能性もあるって。
テストを受けるにあたって、そのことは予め覚悟しておくように言われた。
またしんどくなるのも、夏休みが無くなるのも嫌だけど、それはもう仕方ない…
ちゃんと勉強して、テスト受けて単位取らないと。
そもそもわたしが医大生になった時点で、こういうことが起こるのは既に覚悟の上だったしね。
「わかりました…。それでもいいので、追試まで勉強もさせてください。再試に引っかからないように、ちゃんと勉強してテストに臨みたいです。テストが終われば、しっかり治療に専念します。」
「よし。そしたら、このノートは返しておくね。でも、くれぐれも頑張り過ぎないように。テスト受けるの止めたりしないから、具合が悪くなれば必ず言うんだよ。約束ね、いいね?」
「はい…」