
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第12章 小さな冒険
仕方なくそろそろ部屋に戻ろうと歩いてると、病院に来てすぐに打ちのめされたエレベーターが見えて、前まで行ってみた。
やっぱり、ボタン届かないな…
と思ってエレベーターのボタンを見つめていると、
ポーン___
と音が鳴ってエレベーターの扉が開いた。
「ひなちゃん!?」
と降りてきたのは知らない先生。
なのに、なぜかわたしの名前を知ってる…。
「はい。」
よくわかんなくてとりあえず返事してみると、
「おい!なんでこんなとこいるんだ!?」
と知らない先生のすぐ後ろから五条先生も降りてきて、サッとわたしの前にしゃがむと、二の腕のあたりをガシッと両手で掴んだ。
「まこちゃんは!?」
フリフリフリ…
「ひとりで部屋から出たのか!?」
コクコクコク…
「バカ野郎!倒れたらどうすんだ!!」
ビクッ‼︎
なんで突然怒られてるのかわからないけど、久しぶりに五条先生の低い怒鳴り声が響いてその場で固まった。
そして、二の腕を掴む両手がほっぺたに移動したと思ったら、目の下をめくられた。
すると、知らない先生があらら…と言ったのが微かに聞こえたと思ったら、身体がいつの間にか宙に浮いて、五条先生に抱っこされて病室に連れてこられた。
