ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第87章 帰るまでが遠足
「す…、傑……」
七海「うん?え!?ひなのどうした?なんで泣いてるの!」
どうしよう、傑の車汚しちゃった…
頭が痛い、気持ちが悪い、お腹が痛いはぶっ飛んで、真っ赤な血を前に頭は真っ白。
「ごめん…わたし、生理になったみたいで…血がついちゃって…傑の車、汚しちゃったの……どうしよう…グスン」
震える声で言うわたしは、申し訳程度にお尻を浮かせてる。
七海「そっかそっか、それで具合悪くなったんだね。突然びっくりしたね。車のことは大丈夫だから、気にせず横になって。」
そう言う傑の声がすごく優しくて、まるで藤堂先生みたい。
しかも、お尻の下にってサッとタオルも渡してくれて、そんな気遣いが出来るのも藤堂先生譲りだなって。
「本当にごめんね…グスン」
そう言って横になると、思い出したように痛みが襲ってきて、それを静かにじっと耐えた。
でも、車が少しずつ流れ出した頃、
「い"っ……ゔぅ……っ…ハァハァ……」
そうして耐えるのも、そろそろ限界に。
夏樹「やばいな…。傑、あとどのくらいで着く?」
七海「流れて来たから30分くらいだと思う。サービスエリアなら5分で着くけど、ひなのきついよね…。夏樹、ちょっと悟か五条先生に電話して。このまますぐ病院行こう。」
夏樹「わかった。とりあえず藤堂先生に伝える。」
と夏樹が藤堂先生に電話をかけた。