ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第91章 ひなのウイルス
「うーん…ひなちゃんちょっとつらいね。」
「ゴホゴホッ…コクッ……しんどぃ…」
「だから言っただろ…。」
「これ以上しんどくなる前に点滴しとこうか。」
「フリフリフリ…。点滴はしとかない……ゴホゴホッ…」
「こら、しとかないじゃない。じゃあ病院行くか?せっかく藤堂先生泊まってくれて、点滴も持って来てくれたのに。」
あぁ…、なるほど。
藤堂先生が昨日泊まってくれたのは、五条先生のためではなくて、わたしのためだったのね。
はぁ…。そうですか、そういうことでしたか。
「ゴホゴホッ…、病院行きたくないぃ……グスン」
「だろ?家にいたいだろ。ほら、そしたらちょっとだけ頑張ろう。点滴頑張ったらアイスあげるから。」
アイス…
「ハーゲンダッヅ…?グスン」
「ハーゲンダッヅあるぞ。しかも、ひなの好きなストロベリー。5個買ってある。」
「……早く点滴するぅ…」
「は?一瞬で気変わるのかよ…ったく、子どもか。」
「あははっ。ひなちゃんお熱あるからアイス食べたいね。点滴、すぐしてあげるからね。」
と見事アイスに釣られたわたしは、ちゃんと点滴をしてもらって、冷たくて美味しいアイスを、今度はわたしが五条先生にあーんと食べさせてもらった。