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ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜

第91章 ひなのウイルス

-ひなのside-




_____翌日




「ゴホゴホッ…ゴホッ……」



「ひなちゃん、息吸ってー…」



「スー……」



「はい、吐いてー…」



「ハー…ゴホゴホッ!」




昨日は藤堂先生が家に泊まってくれた。

とはいえ、五条先生は夜にはすっかり元気になって、




「なっ?すぐ治るって言っただろ?俺、最強だから。」




って、すっごいドヤ顔で自慢してくるから、




「最強なら、そもそも風邪なんか引きませんよ。」




と嫌味を言ってやったら、




「あのなぁ、俺は毎日風邪引いた子どもを何十人も相手してるんだ。でも、今まで移ったことなんて一度もなかった。それがひなの風邪は移るなんて、"ひなのウイルス"が強烈過ぎなんだよ。ってことで、しばらく気をつけとけよ。ひな、絶対もう1回熱出すぞ?」



「絶対大丈夫です。元はと言えばわたしのウイルスだし、免疫ついてます!というか、勝手に人の名前をウイルスに名付けないでください…。」



「元々ひなちゃんのウイルスでも、残念ながら悠仁の体内でより強力になったウイルスなんだよね。」



「今度の方がきついぞ。最強の身体で暴れたウイルスが、最弱の身体に入ったんだから。」



「さ、最弱って…ひどいっ!わたしはもう弱くないし、それと移ってないですから!」



「移ってるに決まってんだろ。咳してる時そばにいたんだから。」




なんて話してたけど、今朝、わたしはきっちり風邪を引いて、只今藤堂先生の診察中。


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