ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第93章 誕生日の温泉旅行
今朝は早くに家を出て、ゆっくりドライブをしながら5時間ほど。
到着したのは、山の中にある温泉街。
先に今日泊まる宿へ車を駐めて、荷物を預け、プレチェックインも済ませると、
「ひな。」
「はい。」
「ん。」
「うん?」
「ん。」
「…うん??」
「いや、だから俺の顔を見つめるんじゃなくて…。もう、ほら手。」
「あっ…// はいっ…//」
って、五条先生が差し出してくれた手をしっかり繋ぎ、温泉街をぶらぶら散策。
山や川に囲まれるノスタルジックな街並みの中には、お土産屋さんや食べ物屋さんがたくさんあって、昼は閉まってるけど射的屋さんなんかもある。
趣ある景色が広がる中、観光客の賑わう声も聞こえてくる、そんな街の中を五条先生とのんびり歩いていると、四角い蒸篭(せいろ)から湯気が立ち上がるお店を見つけた。
お店の前では数組のお客さんが何か美味しそうなものを食べていて、気になって五条先生に聞いてみたら温泉饅頭だって。