ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第93章 誕生日の温泉旅行
ふぅ〜。
女子トイレはいつでもどこでも並びがち。
観光地のトイレは特に多い。
そこまでトイレに行きたかったわけじゃないけど、いざ出始めるとなかなか止まらないおしっこに、
五条先生がトイレ行こうって言ってくれてよかった。
漏れそうなのに、恥ずかしくて行きたいって言えない…
ってなるところだった。
と胸を撫で下ろす。
そして、用を足し終わって、
五条先生、待たせちゃってるな…
と思いつつも、せっかくのデートだからとリップを塗り直していると、
「ねぇねぇ! さっきの人みた? めっちゃかっこよかったんだけど!!」
「え、わかる!! 外にいた超イケメンだよね。背が高くて黒のダウン着てたさ。」
「そうそう!! なんかすっごい綺麗な目だった。出た時まだいたら声かけちゃう??」
って、後ろからキャピキャピした声が。
背が高くて超イケメンで、黒のダウンに綺麗な目って…
絶対、五条先生のことだ。
何気なく耳にしたその会話が、わたしの胸をムズムズさせてくる。
五条先生っ…
わたしは急いで外に出ると、待っていた五条先生の胸に、
ぎゅっ…!!
と飛び込んだ。