ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第93章 誕生日の温泉旅行
「え…?」
誕生日プレゼント?と思ったけど、それにしては普通の袋だし、五条先生もそっけない。
「見てみな。」
と言われ、中をそーっと見てみると、
「これっ!!」
雑貨屋さんで見てたポーチに、実はもうひとつ気になってたシュシュも入ってる。
「なんで?どうして??いつの間にこれ…」
「やっぱり、本当は欲しかったんだろ。なんで欲しいもの欲しいって、言ってくれないんだ。」
お店を出た時と同じ。
五条先生の声がまた少し寂しそう。
「だって、このポーチちょっと高かったから申し訳ないかなって思って…。」
「はぁ?そんなこと気にしてたのかよ…。あのなぁ、値段なんか気にするな。ってか、お金のことは気にするなって前に言っただろ。」
「そんなこと言っても、やっぱり五条先生が汗水流して稼いだ大事なお金だし…。それに、ポーチはわたしだけが使うものでしょ?お饅頭やお茶みたいに、五条先生と一緒に共有できるものじゃないしと思って…。」
と言うと、
「そうか。そんな風に考えてくれてたんだな。でもな、せっかく旅行に来て、しかも誕生日だってのに、そうやって遠慮されたらちょっと寂しい気持ちになるぞ。ひなはもっともっと、俺に甘えて欲しい。」
って。