ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第14章 脱走犯
そして朝ごはんが終わると、今度は体調チェックをしにまこちゃんが来た。
夏樹くんと明里ちゃんの担当は別の看護師さんのようで、姫島さんって言う人が来ていた。
「はい。ひなちゃん、お熱お願いね。」
と言って、まこちゃんに体温計をもらう。
最近は自分で挟んで測るようになった。
ピピッ…
と音がして、まこちゃんに渡す。
「36度ちょうどだねー。はい、次血圧測るね!」
血圧測定もだいぶ慣れた。
まだちょっと腕の締め付けとドクドク感は怖いけど…。
「うん。血圧も問題なさそうだね。」
と終わったところで、五条先生もきた。
夏樹くんのベッドからは宇髄先生の、明里ちゃんのベッドからは神崎先生の声がしてる。
「服捲って。」
と言われて胸元の紐を自分でほどいて病衣をめくった。
そう、聴診の時も自分で服をめくれるようになったの。
緊張するし身体の傷見られるのも嫌だけど、なんでもかんでもまこちゃんにやってもらわないで、少しは自分でしなくちゃと思って。
「深呼吸して。」
「スー…ハー…スー…ハー……」
「ん。いいぞ。音はだいぶ良くなってきたな。今朝起きるの早かっただろ?昼間寝ないようにな。それから、みんなとお喋りしすぎて疲れないように。」
と注意するものの、五条先生はいつもより嬉しそうな顔をしてる。
それから、わたしは体調が良くて発作も起きることなく、大部屋で毎日楽しくおしゃべりして過ごした。