ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第93章 誕生日の温泉旅行
そして、日もすっかり沈み、外が暗くなってきたら、
「ひな、20歳の誕生日おめでとう。」
「ありがとうございます…!」
「今日から大人だな。」
「はいっ//」
「ひと口だけだからな?」
「はいっ!」
「ん。それじゃあ…」
『乾杯。』
食前酒で乾杯をして、わたしはそれを…
ゴクッ…
「…どうだ?」
「なんか、大人の味がします…!これで本当に、大人になった感じが…!」
「ははっ、なんだそれ。これほぼジュースだぞ。でも、ひなはもうおしまいな。もし気分悪くなったらすぐ言えよ?」
って、ひと口だけ初めてのお酒を飲ませてもらって、楽しみにしてたディナータイムがスタート。
夕食は部屋食で、予想をはるかに上回る豪華な懐石料理。
数え切れないほどの料理が並ぶ中、わたしが夢中なのは1人1つ用意された釜飯と鉄板。
「すごい!これわたし専用のですよね!もう蓋開けていい!?」
「まだだ。」
「あと何秒で開けていい!?」
「何秒とかじゃなくて火が消えるまでだろ!説明してくれてたの聞いてなかったのか!ったく、全然子どもだな…。」
と言われても、それはもう。
次々とテーブルに並べられるお料理に夢中で、説明なんてこれっぽっちも。