ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第94章 First kissと…
ぇっ…?
えぇっ!?
五条先生から放たれた言葉に、声も出せず目を見開いた。
瞳が泳ぎに泳ぎまくっているのが自分でもよくわかる。
その言葉の意味をもうちゃんと理解できるもんだから、
「ぁっ、ぁゎ……あっ……あわゎ……っ、」
誤魔化したくて何か喋ろうにも逆効果。
まったく動揺を隠せない。
すると、
「ひな。」
五条先生はさっきまでの色気を一旦消して、
「するって言っても、最後までしようとは思ってない。途中まで、ひなができるところまでしたらいい。そう思って、今日はゴムもわざと持って来なかった。」
落ち着いた声のトーンと優しい表情で、わたしを安心させるようにそう言った。
ゴムがないってことは…、挿入は絶対にない。
それがわかって少しホッとしたものの、この先に待つのはあまりにも未知な大人の世界。
だから、緊張や不安の波はどうしたって止めどなく押し寄せてくる。