ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第95章 留学前の惨事
「ひなー!俺の声聞こえてるだろ!!こっちだぞ!!」
五父「ひなちゃん…っ」
俺が心臓マッサージを始めてすぐに親父も来た。
藤堂「チャージ完了!離れて!!」
ガシャンッ!!
………ピピーッ、ピピーッ、ピピーッ…!
「なんで…っ」
ひなが戻らない。
電気ショックを3回もした。
術後にこれ以上の胸骨圧迫もしたくない。
「ひな!頑張れ!!俺のこと置いて逝く気か!?」
五父「悠仁…」
俺の目からひなの上に涙が落ちた。
汗かと思ったけど、ひなの顔が滲んで見えるから涙だ。
ひなをこうして蘇生するのは2回目。
前に蘇生した時はひなは俺の患者だった。
あの頃から特別だったけどまだ患者だった。
でも今は恋人だ。
遠くない将来嫁になる。
ひなの手を離さないって決めたのに、俺が離さなくてもひなに離されたら、俺はもう…
いなくなるのが怖い。
大切な人を失うってこんなに怖いことなのか。
俺は気力を振り絞っ…いや、ひなを救うために死力を尽くす。