ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第15章 複雑な光景
そして、その日の夕食の間、退院が決まった明里ちゃんはずっとうれしそうだった。
退院したら何がしたい、どこに行きたいってたくさん話してて、夏樹くんも「よかったな、おめでとう。」って。
わたしも一緒に聞いてたけど、少し上の空だった。
「…なちゃーん。おーい、ひなちゃーん!」
「え?あ…、は、はい。」
ごはんを食べてぼーっとしてたら、いつの間にかまこちゃんが薬を持ってきてた。
「ひなちゃん、大丈夫?今日すごくぼーっとしてるけどしんどい?」
「ごめんなさい…、大丈夫です…」
と言って、薬をもらってサッと飲んだ。