ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第97章 大丈夫じゃない2人
五条先生がまたアメリカに行けるなら、今は五条先生と一緒にいたい。
甘えていいのなら、今はそばにいて欲しい…
アメリカなんか行かないで。
心も身体も痛くてつらくて仕方ない。
だから、お願い。
少しの間だけ、ずっとそばにいて…
「ぅぅっ…ヒック……うぅ……ぅっ…ヒック、ヒック」
もう何も言葉が出なかった。
溢れる涙をそのままに、五条先生の顔を見上げ背中をぎゅぅっと掴む。
すると五条先生は、わかったと言わんばかりに微笑んで、
「最初からそう言えばいいのに、強がって。俺はいるから安心しろ。最近のひなは少し大人になり過ぎてんだな。辛い時は辛い、甘えたい時は甘えたいで、我慢なんてしなくていいのに。ほら、今日はいっぱい泣いてスッキリしよう。それで明日から少しずつ頑張ろうな。」
と言って、わたしの頭や背中を撫でてくれた。
そして、わたしはこの数週間溜め込んだ感情を全部吐き出して、疲れ果てて眠るまで、五条先生の胸で何時間も泣き続けた。