ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第16章 複雑な思い
そして、ついに階段がなくなって扉が目の前に現れた。
「ひなの、行くぞー?」
と夏樹くんが扉を開けた瞬間、風圧を感じた先にあったのは綺麗な青空だった。
「うわ~!いいお天気!それに空気も春の匂い!」
コンクリートの床にいろんな機械があって、ゴォーっと音がしてる。
でもそんなの気にならないくらい気持ちよかった。
「ひなの、こっち来てみ?」
と言われて夏樹くんについて行くと、
「うわ~!すごい!」
フェンスの向こうに街が広がってた。
病院の周りには高いマンションや学校もある。
「夜に来たら星も見えるんだ。」
星か〜、星も見てみたいな…
と思いながら、コンクリートの段差に腰掛けてしばらく外の空気を楽しんでた。