ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第101章 ぶり返す古傷
どうして、手術しなきゃいけないの…?
結局、今夜もまた眠れない。
心臓が良くないってどういうこと?
事故の時、わたし手術したんだよね?
あれから半年も経ってないのに、なんでまた…。
寝返りを打っても、耳を塞いでも、手術のことが頭をぐるぐる。
わたしの心臓、元気なのに。
ドクドク、ドクドク…今もちゃんと動いてるのに、手術なんて必要ないよ…。
もう痛いことされるのもやだ。
誰かに押さえつけられて、痛いことされて、傷つけられるなんて…
手術、手術…と思ううち、
手術=傷つけられる
ことなのだと、脳がそう思うようになり、
「ハァハァ……っ、ハァッ、ハァッ…」
ほら、手術なんて言うから、また思い出すじゃん…
昨日と同じ。
昔の記憶が蘇って、胸がすっごく痛くなる。