ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第101章 ぶり返す古傷
「…っ、ハッ…ハァ……ゔっ………ッ………」
痛い…
苦しい…
息ができないっ…
胸を押さえるけど痛みは引かず、あの頃の音や映像は、容赦なく身体に流れ込み、
ハァハァ……っ、助けて……ハァ、もうやだ……!!
頭を抱え、ギュッと身体を丸め込んだ。
その時、
「ひなっ!おい、ひなっ…!」
部屋の電気がつけられて、誰かに腕を掴まれた。
「いやぁっ!!ハァハァ…いやっ、ゔっ……ッ、いっ……や!!」
やめて、触らないで、痛いことしないで、いじめないで…
恐怖心いっぱいで、身体をさらに縮め込む。
「ひな、俺だぞ。ほら、落ち着け。どうした?怖い夢見たか?」
すると、腕はあっさり離してもらえ、身体をすっぽり包まれた。