ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第102章 突沸
「こ、来ないで…」
あまりにか細く震える声は、先生たちに聞こえたのだろうか。
「どこ行く気だった…?」
"逃げようと思ってた"
頭に流れる心の声。
目の前に見えるは、一歩前へ、わたしの腕を掴もうとする五条先生。
与えられた時間はコンマ1秒。
こんな時は、身体が先に動くもの。
わたしは振り返り、部屋の中に走った。
そして、
「ひなっ!」
『ひなちゃんっ!』
「来ないで!!」
追いかけて来る先生たちに、ソファーのクッションを投げつける。