ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第108章 乙女の秘密
藤堂「あれ、もう終わってた?」
祥子「藤堂先生、ご連絡せずにすみません。処置は終わったのですが、ひなちゃんと少しお話していて。」
藤堂「それで。時間経つのにおかしいなと思って来たら、何を楽しそうに話してたんだか。」
…っ。
そう言って、ジロリとわたしを見る藤堂先生。
祥子「それは、"乙女"の秘密よね〜?」
「は、はい!」
祥子さんと何を話していたか、藤堂先生にはわからないはず。
なのに、どうもわかっていそうな顔をするから、わたしは声を裏返してしまう。
藤堂「秘密〜?主治医のいないところで気になるけど。まぁ、来た時よりひなちゃんの顔色も良くなってるし、良しとしよう。そしたらひなちゃん、お疲れ様。今日はこれでおしまいね。来週も今日と同じ時間にまた来てね。」
「はい、ありがとうございました。」
祥子「お大事に。」
幸いにも藤堂先生からいろいろ聞かれることなく。
藤堂先生と祥子さんに頭を下げて、病院をあとにした。