
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第112章 麻疹
それから、3日後。
「ひな〜?」
五条先生の声がして、うっすらと目を開ける。
「ひな。」
あれから、わたしの身体にはついに発疹ができ、それも瞬く間に全身へ広がって、動くこともままならない状態に。
いつの間にか点滴も、24時間繋がりっぱなし。
この点滴がなければ、わたしは今生命を維持できないんだろうなって、自分でもそう思う。
「しんどいな。」
五条先生の手がわたしの頭にそっと乗る。
五条先生…。
そう呼びたいのに、声を出す力がない。
ぼーっとするけど、五条先生の優しい顔はちゃんとはっきり見えてるのに…。
「ひな、眠れてるか…?」
頭にあった五条先生の手が頬へと移る。
そういえば、わたしまともに眠れてない。
高熱、咳、喉の痛み、吐き気と嘔吐、そして、発疹の痛痒さ。
ぐったりしているはずなのに、目を閉じてもどこかずっと意識のあるような朦朧としている感じ。
目の下に酷いクマでもできてるのか、五条先生は少し眉をハの字にして、目の下をなぞるように頬を撫でる。
