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「婦人科の診察に入らせてもらった時、小さな女の子が来たんです。最初はお母さんの診察について来たのかと思ったんですけど、カルテを覗くとその子が患者で。そしたら、わたしは席を外すように言われて、その診察だけ見学させてもらえなかったんです。」



「ん？なんか事情があったのか？」



「気になったので、もちろん後で先生に聞きました。そしたら、"病院を怖がる子だったからごめんね"って言われたんですけど…」



「けど？」


　
「……五条先生は、"特発性発情症候群"って聞いたことありますか…？」



「発情症…？」



「はい。カルテを覗いた時にその言葉も見えたんです。で、もちろんそれも先生に聞きました。そしたら先生は、"とても珍しい病気"とだけ。まだ病気が確定したわけじゃないからって、それ以上は教えてもらえなくて。突っ込んで聞ける雰囲気でもなくて…。」



「なるほどな…。」



「自分でも少し調べてみたんですけど、ネットには情報がほとんどなかったんです。昔にあった病気だとか、遺伝子変異による特異体質だとか、オメガとかヒートとか…全然わからなくて。五条先生は知ってますか…？」