ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第113章 地域実習
"特発性発情症候群"
ひなの口から出た病名に、正直かなり驚いた。
ひなが言った通り、それは過去の病とされているから。
特発性発情症候群はその昔、明治から大正時代にあった病気で、現代にはないと言われている。
その名のとおり、原因不明の発情が起こる病気で、本人の意思に関係なく定期的に発情期が訪れる。
発情期が続くのは約1週間。
ひながちらっと言ったヒートというのは、この発情期のことだ。
また、ひながもうひとつ言っていたオメガ。
ここからは少々難しい話になるが、発情症があった時代、人は男女とは別に第二の性を持っていたという。
それが、アルファ、ベータ、オメガの3つ。
ひなにはちんぷんかんぷんだろうが、ピンときた人もいるように、BLの設定としてよく使われるのがまさにこれ。
実は発情症が元になっている。