
ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第121章 渡米
退院から2日後。
わたしは今、藤堂先生の車で空港に向かっている。
一昨日、退院して家に帰ってから、ほぼ1ヶ月ぶりにスマホを見た。
LIMEを開くと、五条先生から着信や心配のメッセージがたくさんあって、トーク画面の1番下までいくと、
"連絡できるようになったら連絡して"
というメッセージで終わっていた。
結局、その場では何も返事を送れなくて、昨日もパッキングをしたり、家を掃除したり、アメリカに行く準備でスマホを見る時間もほとんどなく。
空港に向かうこの車の中でようやく、
"心配かけてごめんなさい。退院しました。"
入院していたことは先生たちから伝わっているはずだから、そうとだけ送信。
すると、向こうは日付が変わった頃のはずなのにすぐに既読がついて、
"身体大丈夫か?"
"ゆっくり休んだらいいからな"
って。
