ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第19章 夢と過去の記憶
「痛いか?」
コクッ…
宇髄「工藤、鎮痛剤入れて。」
工藤「はい。」
という、やりとりがなんとなく聞こえた。
「肋骨が折れたんだ。安静にしてれば大丈夫だから、心配はしなくていい。痛むかもしれないけど、呼吸はちゃんとするように意識して。」
肋骨が折れた…?
…なんで?
突然そんなことを言われてもまだ状況が掴めない。
「覚えてないか?5日間も意識がなかった。どうしてこうなったか、覚えてないか…?」
え?今なんて言った?
5日間意識がなかったって、そんなこと本当にあるの…?
でも、もしそうだとして、わたしはなんで?
最後に覚えてるのは…
"さっさと死ね!!"
ハッ………!
思い…出したく、なかった……
あの人が目の前に現れて、
"バシッ!"
わたしのほっぺた…
やっぱりあれは現実だったんだ。
夢じゃなくて、なんで、なんでまた…!
「ッハァ……ッハァ……な…ッハァ……んでっ…ハァハァ……ッハァ…ハァハァ…嫌‼︎」
「ひな落ち着こう。今発作が起きると身体が痛む…」
そう言われても、もう痛い…
息するだけで痛い…
あの人のせいでボロボロ…
せっかく家族のこと分かったのに、
またあの人に傷つけられた…
もうやだ。
もう、死にたいよ…
みんなのところに逝きたい…
そう思って目を閉じたら、もう意識は飛ばしていた。