ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第2章 彼女の正体とDoctors
「こらぁーっ!!ひなのーっ!!!」
ビクッ‼︎
見かねた類が、会場中に響き渡るくらい大きな声で女の子を呼び止めると、女の子はビクッとして急に立ち止まり、その反動で尻もちをついてしまった。
「大丈夫!?痛いところない?立てるかな?」
「…アリガト。」
女の子は高校生くらいの男の子に立たせてもらうと小さな声で呟いた。
「あぁ、悠仁くん!ひな起こしてもらってありがとう。こらっ!ひな、お行儀良くしてなさいって約束しただろ?」
「Sorry, ダディー。コホッコホッ…」
両親とアメリカから一時帰国しているというその女の子は、日本語がカタコトで英語の方が話しやすそうだった。
「ほら、走るからお咳出るんだよ?病院連れて行くよ?それとも、ここにいるのはDoctorsだから診てもらおうか?」
「Nooo! イヤ!!」
「でしょ?ほら、じゃあゆっくり呼吸して。」
「コホッコホッ……スー…ハー…。ダディー、もぅダイジョブ!」