ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第20章 喘息と貧血と学校と
心なしかいつもより長い聴診が終わって、五条先生がステートを首にかけ直すと、
「…しんどくないか?」
あ…
バ、バレたかな?
「いえ、大丈夫です。」
よし、受け答えは完璧。
「…なぁ、夜発作起きたか?」
うん。やっぱりバレてるかも。
いや、でも、聞くってことはバレてない?
「そんなことはありませんでした。」
五条先生の目を見たら負け。
しっかり前だけみて、ハキハキと答えた。
すると、
「こら、嘘をつくな。そんなことはあっただろ?」
と、両手でほっぺたを挟まれて五条先生に目を捉えられる。
あ…もう…これは完全に…バレてる…。
「あにょ(あの)よにゃかに(夜中に)ひょっと(ちょっと)らけ(だけ)」
「なんで早く言わないんだ!すぐにナースコールをせんか!」
「ごめんにゃひゃぃ(ごめんなさい)」
あぁ、久しぶりに五条先生に怒られてしまった。
ほっぺたを挟む両手でそのまま目の下を見られて、首も触られて、手首を掴まれ脈を測られながら、まこちゃんに体温や血圧を確認して、終了。
「今日はベッドで大人しくしてなさい。何かあったら、必ず、すぐに、ナースコールを、すること。わかりましたか?」
「はい…」
はぁ…
なんか、この感じ久しぶり。