ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第20章 喘息と貧血と学校と
「ひなちゃん、眠い?」
翌朝、まこちゃんに血圧を測られながら尋ねられる。
「いえ、眠くないです!」
夜中に喘息が出てしまったことをバレないように、元気よく答えた。
そこへ五条先生が来て、
「おはよう。…ん?昨日あんまり寝てないな。」
やばっ…
入ってくるなりさっそく顔をしかめられた。
バレるのが早すぎる…
でも、バレないように、平常心…。
「そんなことはないです。」
「そんなことはあります。顔が疲れてる。怖い夢でも見たか?ほら、胸開けて。」
「はい…」
今までずっと病衣を着てたけど、少し前に五条先生と他の4人の先生たちがみんなでパジャマをプレゼントしてくれた。
まこちゃんが選んでくれたみたいで、とってもかわいくてすごくうれしかった。
だから、紐じゃなくて今はボタンをひとつひとつ外す。
「深呼吸して…」
夜中のことがバレないようにしないと…
いつもより少し浅めの深呼吸をして、ドキドキしながら聴診を受けた。