ひなとDoctors 〜柱と呼ばれる医師たち〜
第2章 彼女の正体とDoctors
ひとつひとつ、過去の記憶を辿り、昔の思い出に耽っていると、
プルルルッ……
さっきメールを送った親父から電話がかかってきた。
「もしもし。メール見るの随分早いな…。」
「悠仁っ!メールに書いてたの本当か!?ひなちゃんが搬送されてきたって。しかも、虐待受けてるって…。」
「あぁ。間違いない、ひなだ。」
「だから、あんなわけのわからん者にひなちゃんを渡したくなかったんだ!あの時、なんとしてもひなちゃんをうちに置いとけば…。」
「そんなこと今さら仕方ないだろ。ひなは生きてるんだ、ボロボロだけど生きてた。だったら治すまでだ。」
「そうだな…。なぁ、悠仁?ひなちゃんのこと頼むぞ。栗花落の大事なひとり娘、杏寿郎先生や義勇先生の…、ノワールの血が流れる子なんだ。お前が守るんだぞ、しっかりな。」
「あぁ。もちろんわかってる。」
親父との電話を終えると、ひなの様子を確認するために再びICUへ向かった。